「7匹目の虫」の「事件簿」-探偵モノ風

 

●ミス・ハリーの日記より。

 

2013年8月2日。

アガサ・ハリー(自称作家兼私立探偵)は、早朝から、「イヤなものをみせられた」。この日は、ミス・ハリーの誕生日の翌日でもある。御年(おんとし)5●歳の「メデタクモアリ、めでたくもなし」の誕生日を愛猫ピーターと過ごしたミス・ハリーは、今日から、新たな作品に取りかかる意欲に満ちていたのだが。

それは、早朝のこと。時刻にして、6時40分ごろ。

朝食の支度をし、愛猫のピーターにもエサを与え、玄関先の前を軽く掃除をしようと出たところ、「玄関先においてある置物の裏に小さい虫が隠れてあった」。

一気に、食欲と仕事へのモチベーションが落ち、頭の中は、この虫の事でいっぱいになった。

今日は、作家の仕事を予定していたが、副業の私立探偵と化しなければならなくなった。

ミス・ハリーとしては、本意ではなかった。誕生日を向かえ、作家活動に新たな意欲を燃え上がらせるはずが、またもや一円にもならない私立探偵の副業に専念しなければならないのだから。

ミス・ハリーは、年金暮らしで、暮らし向きもギリギリ。いや、足りない所得にあった。

が、正義感という点では、「バットマンとスーパーマンの次の次あたりである」との自覚から、早速、疲れた老体に鞭打っていや、疲れた障害者の身体に鞭打って、「7匹目虫事件」の解明に着手することになった。

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●ミス・ハリーの撮影した現場写真

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●8/2 早朝 6:40ごろ

 

・玄関先においてある置物の「二匹の犬」の「裏」

・「7匹目の小さい虫」を発見!

 

 

 

 

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●これが「7匹目の虫」で「小さいサイズ」

 

●これは、ほうきで側溝に掃き出した直後の撮影である。

 

 

 

 

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●ミス・ハリーの現場所見

 

最初にこの7匹の虫を発見した際に、ひらめいたことは、「自殺ではなく他殺である」ということである。

昨年、2012年は37匹虫事件。その前の年の2011年は、ほとんど記憶に印象に残るほどの虫は発見されていない。そして、今年、2013年、8月2日現在で、「7匹目」である。さらに、今年は、「ベランダに2回、鳥のフンのようなもの」。

ミス・ハリーは、次のように、「探偵メモ」に箇条書きを残した。

 

 ●2011年⇒「記憶・記録に残るほどの虫なし」

●2012年⇒「37匹の虫事件」いずれも、「目立つところに屍骸として」

●2013年⇒現時点で、「7匹の虫」いずれも「小さく、目立たないところに」

⇒2回の「鳥のフンのようなもの」ベランダ。

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●2013年の虫事件の「共通点」

●目立たないサイズ「小さい虫」

⇒「2012年はほとんどが目立つほどの大きさ」とは対照的。

●「目立たない場所」が多い。

⇒「2012年の玄関のドアを開けてすぐわかる」とは対照的。

⇒「エレベータ前の側溝」のように、「ハリーのテリトリー外のときも」(これはカウントせず)

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*2011年/2012年/2013年いずれの年も、「虫よけは使用していない」

*同じ環境で3年間、「これだけ虫の発生状況が違うというのは、人為的虫」であることの証拠となろう。

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●ミス・ハリーの結論

 

過去の「虫に関するデータ」のより、「今回の7匹目の虫事件の最有力容疑者は、隣人江頭」である。

ミス・ハリーは、結論づけたが、ここで気になる点がミス・ハリーにはある。

それは、ミス・ハリーの記憶を呼び起こしてみよう。

 

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以下は、ミス・ハリーの「7匹目の虫」に遭遇した際のドキュメントである。

読者は、ここのどこに不審な点があるかを考えてほしい。できるだけ、事実に即して、ミス・ハリーの記憶を回想することにする。ミス・ハリー自身が気になるところには下線を引いてみたので、読者諸君の推理と突合してもらいたい。

 

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8/2 6:40~6:55 のドキュメント

朝食を整えたので、ちょっとだけ玄関掃除と思い、玄関先にでて、電気メータ-ボックスの収納しているほうきを使って、軽く玄関先を掃いていると、玄関先においてある「二匹の犬の置物の後ろ」に「小さい虫」が。すぐさま、ほうきで共同廊下にある側溝に掃き出した。

数日前にも、軽く玄関先を掃いた時には、なかったものだ。すると、「この数日の間に虫が仕込まれた」と考えるべきだろう。

そんなことを頭で考えながらほうきで、付近をはいていると、★1「704号の部屋あたりからゴホンという咳き込む声が聞こえた」。

さらに、付近をはいていると、★2「派手なピンクの普段着用シャツを着た30代の男」がすぐ近くにある「エレベータ2号機」に乗り込もうと近づいてきて、ちらっとお互いにあいさつした。

部屋に戻り、証拠写真撮影のために、iPad  を持って、「まず、犬の置物の写真を撮影」。この時点では、アルコープになっているので、すぐ近くのエレベータ前の人間に気づいていなかった。

さらに、「側溝に掃き出した7匹目の虫」を撮影するために、共用廊下に出ると、そこには、★3「白いYシャツを着てメガネをかけた小柄な30代くらいの男が鞄の中をごそごそ探していて、ハリーにきづいていないらしくあいさつなし」であった。この男は、エレベータ2号機を利用するために、エレベータ待ちをしていた模様。この男は、701号でも702号でも、どちらの旦那でもない。

iPadでの撮影を終え、部屋に戻って確認していると、最初の写真がぼけていたので、再び、写真の撮り直しで、玄関先に。すると、★4共通廊下のはるか先に(端にあるもう一つのエレベータ1号機)、ピンクの普段着の男が「スーパーの袋」を持って、ハリーの部屋とは逆の方向に歩いている背中が見えた。

 

さらに、廊下に出ていると、★5どこからか、女の声で、「シタニイッタ。」だか「シタミシタ」だか言っているのが聞こえた。

 

ミス・ハリーの日記はここで終わっている。

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ここで、昨夜のミス・ハリーの日記もみてみよう。そこで、なんらかの伏線が見えてくるだろうか?

昨夜は、二日に一度の洗髪の日であった。(髪は洗い過ぎてぱさぱさになってしまうので、毎日でなく二日に一度に決めている)。真夏時は、ドライアーでなく、扇風機で涼まりながら、大体を乾かし、最後にドライアーの温風を施す。さらに、身体がだいぶ暑くなっているので、べランダに出て、身体と髪に夜風を当てるのが、最近の日課(一日おきだが)になっている。

思い起こせば、一昨年だったか、真夏にベランダに出ていると、「704号」が「わざわざドライアーの音」をさせて、「牽制球」を投げてきたり、「704号の女の声」で「嫌がらせよ」とつぶやく声が聞こえる。

隣の人間がベランダに出ることは、自分の部屋にいる間は、「全く気付かないはず」なのに、「イチイチ気づいて反応するあたり、完全にスパイしている」ことがバレバレである。

かつ、「通常に髪を乾かしている」にもかかわらず、「嫌がらせ」と感じること自体、「704号がどれだけ自分たちが嫌がらせしている」かの裏返しでもある。

さらに、「ハリー宅の柔軟剤が臭くて、生活できない。だから、段ボールと幕を張った」の「いいがかりクレーム」の直後に、洗濯だかで、ハリーがベランダに出ると、「704号が嫌がらせ」に「鼻かみで鼻をかむ嫌がらせ」を受けた。

考えてもみたまえ。時期は、晩冬。まだまだ、寒い。「窓を日中開けている人間はいない」。「このマンションは窓を閉めれば、近くの航空自衛隊の飛行機の音さえもさほど気にならない」くらいに「防音効果ありのサッシ」なのである。ただし、窓を開けていると、テレビを普通に掛けていても、「前マンションよりも響くことは事実」である。だが、ベランダで生活している人間はいないので、ベランダにでれば、ある程度生活音が聞こえるが、部屋の中に入ってしまえば、ほとんど支障なし。

つまり、「晩冬で、窓を閉めているはずなのに、鼻をかむ音が704号から聞こえる」ということは、「わざわざ、ハリーがベランダに出ているときを狙って、意図的に窓を開けて、鼻をかんだ」ということが分かる。

「ドライアー」の嫌がらせ

「窓を開けて、鼻をかむ」嫌がらせ

「真夏にベランダに出て涼んでいる」ことを「嫌がらせだと704号の女」の声

あり得ない隣人だ!

ある時、「704号の嫌がらせが激しくなったので」、ベランダに704号がちょうど出てきたようなので、「スパイ」と言ってやった。すると、それを聞いた704号が「怒りまくって、何かをバンバンたたきだし」してすごい音を出したこともあった。

「704号は、ハリーをネタに自分たちが汚い金で生活しているくせに、スパイとよばれて、逆ギレで、すごい音をばかんばかんたたくほどの「ショートテンパー(短気)で実力行為(暴力的)」な奴らだ。

前住人を追い出した「犯罪歴」もうなづける。

 

と思いながら、昨夜、ベランダで涼まっていた。昨夜は、大分、夜風が冷たく感じた夜であった。704号の「異常な幕」にも「光がともり、リビングルームに人がいる」事は明らかだが、「コトリとも音がしない」。生活音が全くないのだ。

さらに、704号は、玄関先にもエアコンの室外機がない。ベランダの方が確認していない(のぞいていないので)が、「エアコンを稼働させると何かしか音がする」ので、「日中も夜間もしない」し、「704号の前のエアコンの室外機を置く部分には、あの異常な幕が存在する」というところから考えれば、「エアコンがない」。つまり、夜は、ベランダの窓を開けているはず。それなのに、「生活音がしない」とは。「異常だ!」

これは、自分の部屋でも確認しているが、「このマンションでは、ベランダの窓を開けていると、テレビの音をかなり低くしないと、大なり小なりベランダに漏れる」。ハリーの聴力でも確認しているが、「部屋にいもほとんど聞こえない音であれば、ベランダに出てもほとんど聞こえない。」言い換えれば、「部屋でも聞こえない音がベランダでも聞こえない」さらに、言い換えれば、「部屋で聞こえる音はベランダに出ると多少は聞こえてしまう」という結論。

もちろん、それぞれの部屋に入れば、「生活に支障をきたす音でないことは明らか」

704号は、「窓を開けている」+「テレビの音が全くしない」⇒「「生活していない?」のか。

逆に「嫌がらせの鼻をかむ音」や「嫌がらせじゃないの女の声」は「聞こえる」

どうなってんか。

704号は、リビングでも「会話のない夫婦」らしい。

 

話を昨夜に戻すと、過去のそのような704号での「ベランダでの嫌がらせ」を思い浮かべていると、「リビングの光はあった」。そして、「そよ風が吹いていた」。そして、あの「異常な幕」が「ハタハタ風に吹かれてハタメイテいた」

「リビングの光」で「異様な幕の色まではっきり見える」。そして「幕がハタハタはためいている」

 

恐ろしい!

 

 

つづく)